△信用割当の均衡理論と市場メカニズム
Posted on | 2016年6月27日月曜日 | No Comments
情報の非対称性がある場合、自由な取引が可能であっても、信用割当(=資金の超過需要)は銀行の合理的な行動の結果、生じうる均衡現象であり、この場合、市場の需給は一致しないまま残ってしまう。まず、銀行は貸出金利が上昇すれば期待収益率が上がるが、金利の過度な上昇は貸し倒れリスクの上昇を引き起こすので、ある程度のところで最適点は止まる。そして、完全競争市場(利潤ゼロ)を前提とすれば期待収益率と預金金利は同じになるが、預金金利の変動はそのまま銀行の資金調達額の変動につながる。こうして、貸出金利と資金調達量(資金供給量)が連動するが、最初に見たとおり最適な貸出金利はある程度を境に減っていく。よって、資金供給量も需要曲線と交差する最適なポイントではなく、期待収益率が最適となるポイントで止まるので、超過需要が残ることになる。

Category:
金融論
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